ドローンの国家資格である「一等無人航空機操縦士」
その名前を聞くだけで、ドローン業界でのステータスを手に入れられるような気がしますよね。
しかし、この資格を取得するのは簡単ではありません。むしろ、現役のプロパイロットでも心が折れそうになるほどの難易度です。
それでも「どうせなら一等を」と安易に考えていませんか?
この記事では、一等資格のメリット・デメリット、必要な時間、そしてその厳しさを徹底解説します。
本当にあなたに必要な資格か、今一度見極めてください。
一等無人航空機操縦士とは
一等無人航空機操縦士資格は、ドローンを「人の上」で飛行させることを許可する国家資格です。
この資格は、物流や大規模イベントでの空撮などで必要とされ、ドローンを商業的に利用したい方には非常に重要です。
しかし、この資格の取得は難しく、ただ「一等を取ればいい」という考えでは突破できません。
さらに資格だけではなく、対応した機体や飛行申請が必要になるなどの条件もあります。
つまり「資格を取っただけでは人の上を飛ばすことは出来ません」
一等資格の必要性 〜本当に必要ですか? ~
一等資格を持つことは大きなメリットになるかもしれませんが、全てのドローンパイロットに必要なわけではありません。
【メリット】
上記のように「人の上」での飛行許可が下りる条件の1つを手に入れることが出来る。これにより、ドローンの活用範囲は飛躍的に広がります。しかし、一等資格が必要なケースは非常に限られているため、ビジネスで本当にこのスキルが必要なのかを考える必要があります。
とはいえ、一等を持っているだけでドローンパイロットとしてのステータスは上がるように見えるでしょう。
【デメリット】
資格取得には多くの時間と費用がかかるだけでなく、合格できる保証がありません。国家試験の難易度は非常に高く、挫折する人も少なくありません。もし、あなたのドローン業務が「人の上」で飛ばす必要のないものなら、二等資格で十分対応できるでしょう。「どうせ取るなら一等」という安易な考えは捨てて、自分のビジネスにとって本当に必要かを慎重に見極めてください。
さらには、資格取得だけではなく、高額な機体が必要となる上に、綿密な計画を立て飛行申請を行う必要があります。
必要な時間数 〜初学者 vs 経験者〜
一等資格を取得するために必要な講習時間は、初学者と経験者で異なります。
【初学者】
実技講習のみで最低50時間以上が義務付けられ、ドローンの基本操作から高度な飛行までみっちりと学びます。
【経験者】
実技講習のみで最低10時間の短期集中型です。
しかし、この短さが資格取得を難しくしている理由の一つです。
十分な飛行経験(Aモード)がある人向けに設計されていますが、ドローンを日常的に使っていない場合、この短期間で合格レベルに達するのは至難の業です。
一等資格の難易度 〜現役パイロットでも苦戦〜
一等資格は、ドローンのプロでさえ「心が折れる」と言われるほど難しいです。
特に、経験者コースは講習時間が短いため、現場の第一線で活躍しているプロパイロットですら、この試験に苦しみます。
実際に私たちのスクールでも、日常的にドローンを使っているプロが「思った以上に厳しい」と感じ、何度も挫折しそうになりました。
試験で特に難しいのが「Aモード飛行」です。このモードでは、GPSやセンサーが無効化され、完全に手動で操作しなければならず、風の影響を受けやすい屋外では特に厳しいものとなります。高度変化を伴うスクエア飛行、ピルエットホバリング、8の字飛行など、細かなコントロールを要求されるため、経験者でも練習なしでは合格は難しいです。
まとめ
一等無人航空機操縦士資格は、ドローン業界でトップクラスの技能を示す証ですが、その取得は決して簡単ではありません。
特に、経験者コースを選択する場合、短い講習時間に甘んじると確実に苦労します。
「とりあえず一等を取っておこう」という甘い考えは危険です。
この資格が本当にあなたのビジネスに必要なのか、資格取得に向けた十分な準備と練習ができるのか、慎重に判断してください。
挑戦する価値はありますが、その道のりは決して楽ではありません。